私たちは昭和25年4月15日に結婚したのだが、何時の間にか50年が経過してしまった。平成12年4月、子供たちが金婚のお祝いをしてくれるというので有難くお受けすることにした。4月15日が結婚記念日だが、丁度官練のクラス会が仙台で開催されることになっていたので、1週間繰り上げ、家内の誕生日でもある4月8日に鎌倉へ一泊旅行をすることになった。
子供たちといっても娘夫妻と1歳半になる孫の花音、それに独身で京都にいる長男の4名である。朝早く東京を車で出発、ちょうど桜の季節で鎌倉でも桜が満開、鎌倉山、鶴岡八幡宮の桜を愛でて宿舎の鎌倉荘に落ち着く。夕食は近くの料理屋に席を移し、ここで長男の栄一も合流する。
花束の贈呈を受けたり、「金婚式おめでとう」「ママおたんじょうびおめでとう」の書かれたケーキをいただく。少し照れくさいけれども嬉しい。
私からはこの日のために準備してきた、金婚記念写真集「比翼連理」を長女夫妻、長男にそれぞれ贈呈した。私たちの50年間の写真記録、その中には当然子供たちも入っている。A4版112頁に533枚の写真を収録、末尾には、私、家内、家族親戚関係、一般の4項目に分けて年表もつけてみた。更に巻末には白紙を何枚かつけて、ここに出席者全員から揮毫していただいた。写真選びは妻と一緒、子供たちの成長過程をたどりながらの結構楽しい時間であった。パソコン入力、コピー、製本とも手作り、3部だけの限定出版である。
久しぶりに家族一同揃っての歓談に夜の更けるのも忘れて語りあった。翌日はホテルで記念撮影の後、海岸で遊んだり昼食をとったり、楽しい時間を過ごして長男は京都へ、私たちは東京への帰途についた。
4月15日はクラス会で家内とともに仙台に行ったが、懇親会の席上、私たちにあて電報が届いているとのこと。娘夫妻・花音の連名と、長男からの金婚式おめでとうの電報であった。電報に添えられた「ドラエモン」の人形には、私たちだけでなく、級友一同も驚いたようだ。長男の電報には綺麗な押し花が添えられていた。この思いがけない電報と贈り物のおかげで、私たちの金婚記念日のことが級友一同の知るところとなり、仙台で級友からも望外の祝福を受けることとなり、思い出深い金婚記念日となった。
鎌倉の桜めでつつ子やまごと 金婚祝ふ今日のうれしさ
比べみてしみじみ思ふ母と子の 血のつながりと時のながれを
(家内と娘が幼児の頃の写真と娘と孫の写真を対比して)
ふたりしてともに選んだこの写真 つきぬおもいで語りあいつつ ふさ
金婚記念 鎌倉市にて (平12.4)
金婚記念 鎌倉市にて (平12.4)
鎌倉にて (平12.4)
花束とケーキの前で (平12.4)
御祝いの電報に添えられたドラエモンと押し花 (平12.4)
「日々是好日」 −高橋春雄・私の履歴書−