平成9年4月、高知市で戦友会が開催されたので、その前後5日ほどかけて謡蹟を訪ねた。そのうち弘法大師に関するものを廻った順に掲げてみる。
いずれも弘法大師開基の四国札所の寺である。
善楽寺 高知市宮 (平9.4) 四国第30番札所。弘法大師開基
禅師峰寺 南国市十市 (平9.4) 四国第32番札所。弘法大師開基
雪渓寺 高知市長浜 (平9.4) 四国第33番札所。弘法大師開基
南国市の岡豊町にある毘沙門の滝は、大師が高野山を開く前年、この地を巡遊中にこの滝に身を浄めているとき、岩上に毘沙門天が現れたので、その像を刻んだ。後にこれを安置したのが、滝の傍らにある毘沙門堂とのことである。現在この地には毘沙門山龍王院が建てられている。朱塗りの建物と満開の桜が調和して平和の光景を現出していた。
毘沙門の滝 南国市岡豊町 (平9.4) 大師はこの滝で身を浄めたという
毘沙門堂 南国市岡豊町 (平9.4) 大師が刻んだ毘沙門天を安置する
毘沙門山龍王院 南国市岡豊町 (平9.4) この地に立派な寺院が建立されている
室戸岬も弘法大師の霊地で、四国第38番札所の足摺山金剛福寺は弘法大師の開創であり、近くの白皇神社も大師が建立、伊弉諾・伊弉冉尊を祀る。岬の海岸には大師が乗ったという亀石や亀岩(不動岩)、大師が爪で岩に「南無阿弥陀仏」と六字を刻んだという弘法爪書きの岩などがある。
金剛福寺 土佐清水市足摺岬 (平9.4) 四国第38番札所。弘法大師開基
白皇神社 土佐清水市足摺岬 (平9.4) 弘法大師建立という
亀石 土佐清水市足摺岬 (平9.4) 大師を乗せて灯台前の不動岩に渡ったという
亀岩 土佐清水市足摺岬 (平9.4) この岩も大師を乗せたという
弘法爪書きの岩 土佐清水市足摺岬 (平9.4) 大師が爪で「南無阿弥陀仏」の六字を刻んだという
あまりの難所ゆえ弘法大師も見残したのでこの名がついたという。奇岩怪石の連なる海岸である。
見残し海岸 土佐清水市三崎 (平9.4) あまりの難所ゆえ弘法大師も見残したという
室戸岬は若い頃の大師の修行の場である。修行の窟として東に神明窟、西に御廚窟(みくろど)がある。十九歳のとき、大師が難行苦行を重ねて虚空像求聞持法と修められ、かの有名な三教指帰の悟りを開かれたところという。近くの室戸青年大師像は高さ21メートルもあり、昭和59年信者や一般の方々の寄進によって建立されたものである。最御崎寺は弘法開基の寺で西国第24番札所となっている。
神明窟 室戸岬 (平9.4) 弘法大師修行の場所
御廚窟(みくろど) 室戸岬 (平9.4) 弘法大師修行の場所
室戸青年大師像 室戸岬 (平9.4) 高さ21メートルの大きな像
最御崎寺 室戸岬 (平9.4) 四国第24番札所、弘法開基の寺
近くには、大師が修行中に行水されたという弘法大師行水の池や、池の水を加持し、衆生の眼病を治したという目洗いの池、弘法大師が灌頂の会式をしたと伝えられる灌頂ケ浜、大師が一夜にして建立したという一夜建立の岩屋、大師が有縁無縁の菩提と弔うために建立したという水掛け地蔵などがある。
弘法大師行水の池 室戸岬 (平9.4) 大師が修行中に行水したといいう池
目洗い池 室戸岬 (平9.4) 池水を加持し衆生の眼病を治したという
灌頂ケ浜 室戸岬 (平9.4) 灌頂の会式をしたと伝えられる
一夜建立の岩屋 室戸岬 (平9.4) 大師が一夜で建立したという
水掛け地蔵 室戸岬 (平9.4) 有縁無縁の菩提を弔うために建立した
室戸岬から高知に向かう途中、弘法大師開基の札所、第25番の津照寺、第26番の金剛頂寺があり、お詣りしてきた。
津照寺 室戸市室津 (平9.4) 四国第25番札所、弘法開基の寺
金剛頂寺 室戸市元乙 (平9.4) 四国第26番札所、弘法開基の寺