謡蹟めぐり  天鼓 てんこ

ストーリー

漢国に住む老夫婦王伯・王母の一人子天鼓は、王母の不思議な夢によって生まれ、後に天から降ってきた鼓で妙音を奏でることができました。この噂を聞いた帝は鼓の献上を命じます。
天鼓は勅命に背き鼓を抱いて山に隠れますが、捜し出されて呂水の川に沈められ鼓は宮中に据えられます。しかし鼓は誰が打っても鳴らず、この上は父王伯に打たせよとて、勅使が王伯を迎えに行きます。愛児を失い日夜悲嘆にくれている王伯が、勅命を受けてその鼓を打つと、不思議なことに鼓は妙音を発します。
この奇跡に帝も親子の情愛深さを感じ王伯には宝を与え、天鼓のために呂水の堤で追善の管絃講(音楽法要)を行います。すると水中から天鼓の霊が現れ、今は恨みも忘れ遺愛の鼓を打ち鳴らし、喜びの舞いを舞い遊びやがて夜明けの共に消え失せて行きます。(「宝生の能」平成12年11月号より)

書籍、インターネットで謡蹟を探る (平19・2記)

呂水、阿房宮 − 小倉正久著「謡曲紀行」(白竜社刊)より抜粋

王伯・王母の一人の子である天候を沈めた場所は呂水となっているが、「呂水」なる地名の河川は都(現在の西安)の近くには見当たらない。  彼の所持していた鼓を宮殿の中に置いた。宮殿の名は阿房宮(西安市西郊紅光路西段)という。・・・中国では数年前から復元工事が行われており、阿房殿が完成した。壮大な楼閣で、広場に建てられた等身大の衛兵と比較して、大きさを推察していただきたい。

阿房宮で「天鼓」を謡う − 中国の古都西安の謡跡探訪

http://otsubo.info/s_contents/china-chuden.html

九月中旬、中部電力謡曲部の現役およびOB12名からなるグループの一員として、6日間の行程で中国西安市近傍の謡跡を訪ねた。
阿房宮では「天鼓」の一節を謡った。地元のガイドがこの辺り全部が阿房宮跡だと言うので、つとある墳丘の上で謡った。西安市の南西わずかのところで、ただ一面のとうもろこしの畑であった。


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